虫歯の治療跡の特徴と原因
虫歯となった歯に詰め物をする際、保険診療を選択した場合は銀歯やプラスチックのものが一般的に使われます。
しかし、銀歯やプラスチックは色合いを調整できないためほかの人が見たときに詰め物だとわかりやすいうえ、詰め物自体も経年によって劣化してしまいます。
また、銀歯を詰めたところと歯肉との境目が黒ずむ、ブラックマージンと呼ばれる症状が起こりえるなど、歯の美しさが損なわれてしまう原因になることがあります。
適切な治療方法
セラミックインレーやセラミッククラウンは、陶器と同じセラミックを素材とした詰め物です。セラミックは輝くような白さを有しているだけでなく、患者さまの歯に合わせて色合いを調整することができます。これを銀歯やプラスチックの詰め物と替えることで、天然歯により近い状態に見せることができます。
また、銀歯などにより歯肉と歯の境目が黒ずんでいる場合も、セラミックの詰め物で黒ずみのない歯肉になります。セラミックは歯肉に優しい素材なので、装着後に黒ずむようなことはありません。
症例集
症例1:歯頚部カリエスおよびレジン変色、PV6
- 年齢・性別36才、女性
- 治療法・治療箇所左右3番~3番(前歯6本)ラミネートべニア法
- 治療回数・期間3回
- 費 用1本80.000円(税別)×6本 480.000円(税別)
上の前歯に虫歯および詰め物(レジン)の変色が見られます。
虫歯および変色した詰め物を処置した後、前歯6本にラミネートべニア法を施しきれいに仕上げました。表面のラミネートべニアはセラミック素材なので、どのような状況下においても安定していますが、歯の裏側は天然の歯なので、予防を怠ると虫歯になりかねません。正しいブラッシングを心がけてください。また、デンタルフロスも併用して使用するとよいでしょう。
症例2:前歯の虫歯、軽度の捻転、エンプレス2
- 年齢・性別30才、女性
- 治療法・治療箇所左右1番エンプレス(前歯2本)およびファイバーコア、右上1番神経処置
- 治療回数・期間3ヶ月
- 費 用エンプレス130.000円(税別)×2本、ファイバーコア20.000円(税別)×2本、神経処置5.000円(税別)×1本 305.000円(税別)
画像から、右上1番に虫歯が見られます。また、左上1番に神経処置後の歯の変色と虫歯が確認できます。この2本の歯にオールセラミッククラウン(エンプレス)をかぶせて固定しました。2本とも軽度の捻転がみられたため、ファイバーコアで歯の方向を正し、補強も行う。
虫歯、変色、歯列不正
- 年齢・性別39才、女性
- 治療法・治療箇所左右2番~2番エンプレス、左右1番ファイバーコア、右上1番および左上2番神経処置
- 治療回数・期間4ヶ月
- 費 用エンプレス130.000円(税別)×4本、ファイバーコア20.000円(税別)×2本、神経処置5.000円(税別)×2本 570.000円(税別)
画像から、上の前歯4本に歯列不正(捻転歯)がみられ、さらに虫歯や歯の変色も確認できます。変色歯は神経処置済みですので、それ以外の2本の歯の神経処置を行い、また、前歯の捻転歯(左右1番)にはファイバーコアで歯を補強した後、オールセラミッククラウン法(エンプレス)で治療。
歯並びや歯の色、歯の形態までトータル的に美しく仕上がりました。